歌う事、声楽を習うという事
クラシックが好き。オペラが好き。でもそれだけでは自分もレッスンを受けて歌を歌えるようになってみたいとは思わないのではないでしょうか?
歌を歌うという事は他の楽器を習うよりも、楽器を手に入れなくてはいけないというハードルがない分、気軽に始められるものかもしれません。しかし、人前で裏を歌うという事は、人前で楽器を演奏する事よりも少々恥ずかしいと感じる方も多いのではないでしょうか?
現代はカラオケなどの普及によって、昔程は人前での歌唱に抵抗を感じる方は少なくなって来たように思います。それでも、音楽の授業の時に前に出てクラスメイトの前で一人(あるいは少人数)で歌うテストなんかを受けさせられた経験がある人は少なからずトラウマを持っていらっしゃる方もいると思います。学校で、そして授業科目である限り点数を付けなくてはいけないし、そのために独唱させるという事は理解は出来るのですが、その経験がトラウマになって歌う事事態が苦痛になってしまったら本末転倒だとも思うのですが・・・。
一番幸せな事は、歌う事が楽しい、開放的だと感じてもらう事。ですから、小さなお子様のうちから一人で歌う事に慣れて欲しいし、自分の歌声に自信を持てるようになってほしい。大人の方だって、いつ初めても物事に遅いという事はないのだから、心を動かされたオペラやクラシック曲があるのでしたら、聴くだけじゃなく、演奏することに挑戦してもらいたいです。
声楽の発声方法を身につけていくと、「うた」の可能性がとても広いことに気づいて頂けると思います。まず、普段話している声と歌う声は明らかに別ものになります。綺麗な声をお持ちの方はさらに磨きをかけて。自分の声にコンプレックスをお持ちの方は、そこから抜け出すためにも。間違いなく、自分の新しい可能性に気づく事が出来ると思います。
また、いつも耳で聴いて歌を覚えているという人には、楽譜から音楽を読み取る能力を身につける事をお勧めします。楽譜はこの世界で唯一と言っていいほどの万国共通記号です。言葉が通じない人とでも楽譜をみれば同じ情報を共有する事ができるのです。そして楽譜には作曲者の意思や感情がそこかしこに息づいて表記されています。それを丁寧に拾い上げていく事が出来るようになると、うたが自己満足やモノマネで終わるものではなく、深く思考し発信する、自己表現の大きな手段になっていきます。